絶対に死なない男と呼ばれる男の最悪の日

アメリカのアクション映画、ブルース・ウィルスが主役、悪運を呼び込む男といえばもうみなさんお分かりだと思いますが、「ダイ・ハード」このシリーズは日本でも大ヒットとなり、自作はいつ出るのか?と心待ちにされているファンも多いと思います。

このシリーズの1作品目は世間がクリスマスでにぎわっている日から始まります。
武装テロリストに占拠された日本企業のハイテク高層ビル、ここが舞台です。

このテロ事件をたった一人の刑事が戦いを挑む、というよりも、どんどんひどい戦いに巻き込まれていくというのが正しい?と思えるほど、悪い方に転がっていきつつ、それでも最終的にジョン・マクレーンが勝利するという物語です。

伏線が隅々まで生きている脚本、また実際に現実で起るのではないかと思うテロという題材、さらにこの現実感をさらに引きだしているSFXの効果、世界に名だたるプロ集団が作り上げた最高のエンターテイメント映画といえます。

普通のカッコいいヒーローじゃないから物語に入りこむ

ヒーローものに違いない映画です。
ジョン・マクレーンという刑事がテロリストという悪の集団に、しかも武装している集団に挑むというのですから、間違いなくヒーローものなのですが、物語にぐいぐい引き込まれていく理由は、このジョン・マクレーンが普通のヒーローではないからです。

ヒーローといえば常にかっこよくて女性にもてて、誰もがうっとりしてしまうような作りになっています。
どこかから落ちる場合でも、スマートに回転したりして無様な姿など見せません。

しかしジョン・マクレーンはいつも無様で血だらけで、けっしてかっこよくないし、うっとりしてしまうようなヒーローに作られていません。
高いところから無様に落っこちて、血だらけになって、よろよろになって、しんどい思いをしてそれでも果敢に諦めず立ち向かっていく人間臭いオジサンがマクレーンです。

身近なオジサンが事件によってヒーローになっていくような、この人間臭いオジサンがヒーローになっていくからダイ・ハードは人気があるのではないかと感じます。

アクションの傑作、でもスマートではないし破壊もすごい

通常、刑事がここまで建物を壊したりすれば問題になるだろうし、刑事らしからぬ態度もそこかしこに見られます。
最終的にジョン・マクレーンが悪に勝つのですが、それでも最後はボロボロ・・・いつも凛として終了するヒーローとは全く違う泥臭いヒーローです。

スマートでもなくヒーローでもない、ただ一人の人間として武装テロリストという敵に立ち向かっていく姿、ユーモアもあり緊張感もあり、とにかく引き込まれていく感覚がものすごい映画、それがダイ・ハードです。