キャンセル料の基本ルール

レンタル契約にはクーリング・オフ制度が適用されないことが多く、契約解除の際は契約書に記載されたキャンセル料や違約金が発生します。
ただし、消費者契約法第17条では、解除に伴う費用として「平均的な損害額」を超える違約金は無効とされています。

キャンセル料の設定方法は業種や事業者によって異なります。
例えば、レンタカーでは、「利用日の7日前まで無料、6〜3日前は20%、2日前は30%、当日は50%、無連絡時は100%」というように、日数に応じた段階制が一般的です。家具やイベント機材などのレンタルでは、定額制や日数に比例した料率が採用されているケースもあります。

インターネット上で規約が確認しづらい場合は、申し込み前にサポート窓口へ連絡して、料率や計算方法について確認しておくとトラブルを防ぎやすくなるでしょう。

返金手続きの流れ

キャンセルを申し出る際は、契約書に記載されている手続き方法(書面、メール、Webフォームなど)に従って、速やかに事業者へ通知します。
事業者側は通知を受けた後、消費者契約法に基づき、平均的な損害額を差し引いた金額を合理的な期間内に返金する必要があります。

返金方法は銀行振込、クレジットカード返金、電子マネーなど、事業者によって異なります。振込手数料の負担先についても、契約時に確認しておくと支払いの計算がしやすくなります。

なお、前受金保全措置はエステや語学教室などの継続的サービス契約に義務付けられる制度であり、物品レンタルには適用されません。この点も契約時に確認しておきたいポイントです。

返金が遅れたり、正当な理由なく拒否されたりする場合は、消費生活センター(電話188)や弁護士への相談も選択肢として考えておきましょう。

注意すべきポイント

長期契約や高額な前払いを伴うレンタル契約では、解約時の返金条件をあらかじめよく確認しておくことが大切です。
成人式用の振袖レンタルのように、利用日が数年先であっても、契約を解除したタイミングでキャンセル料が発生することがあります。

契約書には、いつ、どの程度のキャンセル料がかかるのか、計算方法が明記されているかどうかをチェックする必要があります。
また、サービス開始後に「一切返金しない」とされている特約があっても、それが平均的な損害額を超えていれば、無効と判断される可能性があります。

遠方への返却が必要な場合は、送料が高額になることもあるため、利用エリアや返却場所の選択肢も含めて事前に確認しておくと、全体の費用感がつかみやすくなります。

クレジットカード決済を利用すると、トラブル発生時にチャージバック制度を利用できることがあり、支払いのリスクを軽減する手段として有効です。