指輪を巡る物語

人気の映画シリーズとして最後に紹介するのは「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズです。
このシリーズは「指輪物語」という小説を原作に映画化したもので、6作品が公開されています。

一作目「旅の仲間」、二作目「二つの塔」、三作目「王の帰還」は、全てつながった1つのストーリーとなっているため、途中から見るのではなく、最初から最後まで通してみることが前提となっています。
実際、映画の配給に当たっても、全ての上映をしなければならない、というルールの元で行なわれました。

この3つの作品の目標は「指輪を捨てること」です。
この指輪は「サウロン」という冥王がかか宿っており、このままでは封印が解け世界が滅びてしまうような恐れがありました。
その為、主人公であるフロド・バギンズはこの指輪を火山の火口へと捨てにいく、という流れとなっています。

三作目の公開から九年ほど経った2012年には、ロード・オブ・ザ・リングの新しいシリーズの公開が始まります。
こちらは「ホビット」というシリーズ名に変わっていますが、内容としてはロード・オブ・ザ・リングの前日譚に当たるものとなっています。
四作目「思いがけない冒険」、五作目「竜に奪われた王国」、六作目「決戦のゆくえ」でもって、ロード・オブ・ザ・リングの映画シリーズは完結しました。

ロード・オブ・ザ・リングの映画シリーズを見る時は、同じように先に公開されたメインストーリーと、後に公開された前日譚という構成をしているスター・ウォーズと同様に、どこから見るのか、ということが1つの悩みどころとなります。
こちらも、本編と後日譚の作成の間には10年近い時間が流れているため、技術的にはやはり多少の違いがあります。
しかし、最初の作品である「旅の仲間」の時点で2001年であるため、スター・ウォーズ程劇的な変化を感じさせるものではありません。
その為、ストーリーをじっくり追いたいというのであれば、まずはホビットシリーズから見て、そこからロード・オブ・ザ・リングシリーズにつなぐ、というのも十分考える事ができるでしょう。

指輪物語の魅力

それでは、6作にも渡る人気作であるこのシリーズの魅力というのは、いったいどこにあるのでしょうか。
この作品はホビットが主人公になっていることからもわかるように、ゲーム的な世界観を持っている「ファンタジー作品」です。
様々な作品に登場する、エルフやドワーフのような種族も登場する所も、それに近い部分があります。

ただ、ベースとしては王道なファンタジー要素を持ちながら、その内容については必ずしも王道と言えるものではありません。
描写の仕方なども独特な部分があり、そういった「王道を外している」所を楽しめるのも魅力の1つです。