レンタカーを返却しない場合の罪

レンタルというのは英語の「rental」または「renting」に該当する言葉で、一定の代金を支払ってその引き換えに商品を貸し出すのが基本的な意味です。
借りている限りは返さなければいけないわけですが、たまにレンタカーを借りたまま返さないといった事例を耳にすることがあります。

レンタカーを借りる際には、説明を受けて契約書にサインしなければなりません。
つまり、契約を交わしたにもかかわらず車を返さないということは契約不履行に該当します。
契約不履行は民事事件ですので、レンタカーを2、3日返さないからといってすぐさま警察に捕まるというわけではありません。
数ヶ月、あるいは1年以上レンタカーを返さないままにしておいた場合にレンタカー会社が警察に被害届を出し、横領の疑いで逮捕するといった流れが一般的です。

レンタカーに限らず、DVDなどの少額の物品に関しても、レンタルしたまま返却しないでいれば横領罪に問われることになります。
横領罪に対する刑罰は5年以下の懲役となっており、罰金刑は設けられていません。
つまり、罰金を払って懲役を逃れることができないのが横領罪の特徴です。
初犯で、しかも被害者に対して被害弁償ができる場合には、不起訴処分になる可能性もなくはありません。

レンタカーを返却しなかった場合の判例

レンタカーを借りる際にはレンタルする期間を決め、返却期限までに車を返却しなければなりません。
返却期限までに返せない場合には、期間の延長をレンタル会社に申し出ることも可能です。
きちんと期間延長を申請し、レンタル会社に認められた場合には通常の延長料金を払うだけで済みます。
ところが、延長期間を申請しないで期限が過ぎたのにもかかわらず車を乗り回していた場合には、違約金として正規の延長料金の2倍の金額をレンタル料金に加算する業者がほとんどです。

延長料金に違約金が加算されると、その金額で中古車が買えるケースもしばしばなので、 レンタカーの返却期限はきちんと守ることが大切です。
中には違約金が80万円にものぼる判例などもありますので、契約内容はしっかりと順守しましょう。

レンタカー代が766万円に及んだ事例もあります。
2021年から2022年にかけて起きた事件では、42歳の男性が北海道・新千歳空港にほど近いレンタカー会社で借りた乗用車を約束の11月1日になっても返さず、警察に逮捕されています。
レンタカー会社では12月7日に警察に通報し、捜査の結果2月1日に札幌市内の駐車場で車が発見され、借主の宿泊していたホテルも特定されたため、逮捕に至ったものです。
この事件では警察が迅速に動いたことが逮捕につながりましたが、ケースによっては警察がなかなか介入したがらないこともあるようです。